能力判定分岐と確率

バランス型(全適性値6)の冒険者で、判定レベルが冒険者のレベル±5の範囲の能力分岐判定を、判定レベルごとに3万回以上試行して成功の確率を統計しました。

統計結果

判定レベル x/32768 成功確率
+5 3595 10.97%
+4 5426 16.56%
+3 7913 24.15%
+2 11150 34.03%
+1 14596 44.54%
±0 18126 55.32%
-1 21723 66.29%
-2 24726 75.46%
-3 27190 82.98%
-4 29131 88.90%
-5 30502 93.08%

確率による分岐についての注意

55.32%という確率は、高く思えるかもしれませんが、実際には低めです。2回連続で失敗する確率が30.6%、3回連続で失敗する確率が16.93%もあります。10人がプレイすると、1人以上は3連続失敗のストレスを感じるわけです。

(もちろん、実際には得意なキャラクターがいるかもしれませんし、行動力上昇などの工夫が行われるかもしれません。けれど、それを要求するなら、シナリオを開始する前に情報を開示しておかなければ不親切です)

ほとんどの場合、確率による失敗は、プレイヤーに落ち度のない理不尽な失敗です。単一の判定の難易度は低めに設定すべきですし、再挑戦を可能にしておくべきです。

特に能力分岐判定は、キャラクターの差別化を図れますが、レベルや能力値の低いキャラクターの価値をおとしめかねません。

「誰か一人」と「パーティ全員」

通常の6人パーティにおいて、「誰か一人」の成功確率はきわめて高く、「パーティ全員」の成功確率はきわめて低いです。

同じレベルのバランス型6人パーティと、±0の判定レベルで例を示します。

「パーティ全員」で成功する確率は、わずか 2.87% になります。これはほぼゼロと言っていいです。全員がバランス型ですので、これでも成功率が高い方です。苦手なキャラクターがいるだけで、成功率は更にガクッと下がります。

「誰か一人」で成功する確率は、全員失敗でなければいいので、なんと 99.2% もあります。ほぼ確実に成功できます。パーティ全員のときとは逆に、これでも成功率が低い方です。得意なキャラクターがいれば、成功率は向上します。

私は「パーティ全員」を使うべきではないと考えます。「パーティ全員」の能力判定分岐は、レベルや能力値の低いキャラクターのみならず、得手不得手を持つキャラクターすべてをおとしめてしまいます

「誰か一人」にする場合は、シナリオの推奨レベル+4~+6の判定レベルに設定するのが適切でしょう。+4では66.25%、+5では50.2%の確率になります。得意なキャラクターがいれば、成功率はゆるやかに上がります。