CardWirthPy のススメ

CardWirthPy とは、CardWirth 1.50 の互換エンジン です。groupAsk 様が制作された CardWirth とはまったくの別物ですが、カードワースのキャラクターを作ってシナリオを遊ぶことができます。非常に軽快に動作することや、操作の快適性から、私は CardWirthPy を普段使いにしています。

CardWirthPy には、CardWirth にはない様々な機能があります。中でも スキン機能は私が熱狂している機能 で、吸血鬼バリアント風スキン「BloodWirth」を制作し、配布に至るまでになりました。

インストールとアンインストール

CardWirthPy のインストールは、ダウンロードした ZIP ファイルを、お好きな場所に解凍するだけ です。アンインストールは、CardWirthPy をフォルダごとゴミ箱に入れて削除します。

最新のリリース版は、CardWirthPy Reboot のトップにダウンロードリンクがあります。さらに ダウンロードページ では、さらに新しい開発版を見つけることもできます。

Bitbucket に障害が発生して、ダウンロードできなくなる場合があります。その場合には、攻略 Wiki のダウンロードページ でミラーが提供されていますので、こちらをを試すといいかもしれません。BloodWirth の配布ページ でも Box でミラーを提供しています。

cwpy-installer

cwpy-installer の初期画面 cwpy-installer でエンジンを選択しているところ cwpy-installer でエディタを選択しているところ

非公式なものですが、CardWirthPy と cwxeditor のオンラインインストーラを作りました1。最新版の捜索からダウンロード、ZIP 解凍までを自動的に行います。

CardWirthPy は日々開発が進んでいて、テスト版が頻繁に更新されます。「cwpy-installer」を使うと、お好みの最新版をらくらく確認してインストールできます。

ただし、ある日突然ダウンロードページの構造が変わったりして、使えなくなるかもしれないことは理解してお使いください。

cwpy-installer のダウンロード
直接ダウンロード
Box からダウンロード
2.5MB

Windows にブロックされたら

ブロックされた cwpy-installer.exe のプロパティ

ブラウザでダウンロードした ZIP ファイルを Windows 標準の解凍機能で解凍すると、アプリケーションの実行をブロックされることがあります。(詳しくは「Windows SmartScreen」について調べてみてください)

ブロックを解除するには、EXE ファイルを 右クリック して、コンテキストメニューの一番下、「プロパティ(R)」を開きます。プロパティ画面の下方に「ブロックを解除(K)」というチェックボックスがあるので、チェックして「適用(A)」ボタンを押してください。

あるいは 7-zip などの解凍ソフトを利用すると、ブロックを解除した状態で解凍されます。


CardWirthPy の便利な機能

CardWirthPy は多機能エンジンですが、中でも特に便利だと思う機能を紹介します。

充実した検索機能
貼り紙画面からシナリオの検索ができます。
宿帳から待機キャラクターの検索ができます。
荷物袋やカード置き場からカードの検索ができます。
手札の中の「荷物袋」カード
荷物袋の中のカードを、即座に取り出して使用する機能です。
カードの検索とあわせて使いこなすと、快適さが跳ね上がります。
シナリオのインストール機能
ゲーム画面で、シナリオの追加と整理整頓が楽にできます。
同じシナリオを以前に遊んでいると、上書き更新するか聞いてくれます。
誤った場所に追加しても、移動や削除がすぐにできます。
シナリオと同じように、フォルダも作成・削除・移動が可能です。

シナリオ作者の中には、背景画像とカードのレイヤー機能、高解像度対応、標準効果音の追加など、ゲーム表現を豊かにする機能が嬉しいと感じる人もいるはず。私もその一人です。

専用シナリオ形式 WSN

WSN 形式のシナリオでは、CardWirthPy の独自機能を利用したシナリオを作ることができます。WSN ファイルの正体は、テキストファイル(XML)と画像等の素材を ZIP 圧縮したものです。そのため、特別なソフトを使わなくても、中身を見ることができます。

Wsn.1 は CardWirthPy1 用のシナリオ形式です。 Wsn.2 は CardWirthPy2 用のシナリオ形式です。


CardWirth からの移行

宿データを引き継ぐ場合

  1. スタート」カードをクリックして、宿の選択画面を開きます。
  2. 宿の選択画面に、引き継ぎたい宿のフォルダをドラッグ&ドロップします
  3. CardWirthPy 用の宿データが Yado フォルダに作られ、遊べるようになります。

注意点として、CardWirthNext 1.60 は宿データの形式が異なるため、変換できません2

CardWirthPy 用に宿データを変換しても、元の宿データが変質することはありません。元の宿データは引き続き CardWirth で利用できます。

また、CardWirthPy で遊んだ宿データを、CardWirth 用の宿データに逆変換することもできます

宿データを CardWirth 用に逆変換

  1. スタート」カードをクリックして、宿の選択画面を開きます。
  2. 下に並ぶ「拡張」ボタンをクリックします。
  3. 左に並ぶ「逆変換」ボタンをクリックします。
  4. 生成先」と「対象エンジン」を選択します。
  5. 決定」ボタンをクリックします。
  6. CardWirth 用の宿データが「生成先\宿の名前」フォルダに作られます。

このとき、CardWirthPy 専用機能を使っているカードは取り除かれて、CardWirth にとって安全な宿データになります。

取り除かれるのは、カード効果で WSN 専用効果を使っているもの、使用時イベントで WSN 専用コンテントや、背景変更・BGM 変更・効果音を使っているもの、カード画像にレイヤや PNG を使っているもの3などです。また、高解像度用の画像も取り除かれます。

エンジンの見た目を引き継ぐ場合

  1. CardWirth.exe」を CardWirthPy の画面へ ドラッグ&ドロップ します。
  2. スキンの自動生成画面が表示されたら、「決定」ボタンをクリックします。

同時に、CardWirthPy の Yado フォルダには、元のエンジンの宿データへのショートカットが作成されています。宿の選択画面からデータの変換を行うことで、CardWirthPy で引き続き遊ぶことができます。この場合も、元の宿データが変質することはありませんので、安心です。

スキンをゲーム画面に反映するためには、スキンを切り替えなければいけません。スキンを切り替える方法は2つあります。

  • 画面右下の「歯車アイコン」で設定画面を開くと、現在のスキンを切り替えられます。
  • 宿の選択画面の「拡張」→「設定の変更」から、宿のスキンを切り替えられます。

配布スキンの利用

拙作 BloodWirth や、攻略 Wiki のスキン解説ページ で紹介されているものなど、配布されているスキンを利用することができます。

配布されているスキンの圧縮ファイルを解凍し、「Skin.xml」ファイルを探してください。 「Skin.xml」ファイルが入っているフォルダを、CardWirthPy の「Data\Skin」フォルダに入れます。CardWirthPy のウィンドウ右下の歯車アイコンから設定画面を開くと、スキンを切り替える事ができます。

スキンによっては、専用のシナリオなどが付属している場合があります。おそらくは、目につきやすい場所に ReadMe ファイルが同梱されていますので、その案内に従って取り扱ってください。

BloodWirth の場合

BloodWirth は CardWirthPy バージョン2以上に同梱していただいていますが、BloodWirth_AP は手動で追加していただく必要があります。

* BloodWirth_AP_1.X.zip\
  * Data\
    * Skin\
      * BloodWirth_AP\
        * (省略)
        * ReadMe_BloodWirth_AP.txt
        * Skin.xml
        * (省略)
  * Scenario\
    * BloodWirth\
      * (省略)
  * ReadMe.txt

BloodWirth_AP_1.X.zip」内のファイル構成はこのようになっていて、CardWirthPy の「Data」フォルダと「Scenario」フォルダに それぞれ上書きするだけ で、スキンとシナリオが追加されます。同梱シナリオは BloodWirth と同一ですので、上書きする必要はないかもしれません。

スキンを削除するときには、「Data\Skin\BloodWirth_AP」フォルダを削除し、必要に応じて「Scenario」フォルダから BloodWirth 専用シナリオを削除するだけです。

ReadMe.txt」や「Data\Skin\ReadMe_BloodWirth_AP.txt」もお読み下さい。


  1. https://bitbucket.org/IrakaT/cwpy-installer にてオープンソース化しています。 [return]
  2. CardWirthNext 1.60 の宿データは解析不能な独自形式になっているので、対応したくても誰にもできないようです。 [return]
  3. CardWirth 1.50 は一部 PNG を扱えますが、カード格納に対応していません。WirthBuilder では、内部で BMP に変換したデータを格納しています。 [return]